40代の私が体験したピラティスと更年期の意外な関係
私は41歳、フルタイムで働く既婚女性です。最近、朝起きるのが辛くなったり、イライラしやすくなったり、そして何よりお腹周りの変化に愕然とした経験はありませんか?
実は私も同じような悩みを抱えていました。鏡を見るたび「昔はこんなじゃなかった」と落ち込む日々。そんな時、友人からピラティスを勧められたのがきっかけで、今では更年期の不調とうまく付き合えるようになりました。
今回は、同じような悩みを持つ40代女性に向けて、ピラティスが更年期症状やホルモンバランスにどのような効果をもたらすのか、私の体験も交えながらお話しします。
更年期の始まりサイン – あなたはいくつ当てはまる?
見落としがちな更年期の初期症状
更年期症状がひどい場合、婦人科へ通ったり漢方薬やサプリを服用したりする人もいると思いますが、自宅で簡単にできるセルフケアとして、ピラティスもおすすめです。
まず、更年期の症状をチェックしてみましょう。以下の項目に、いくつ当てはまりますか?2つ以上当てはまる方は、適切なケアが必要です。
– ストレスを感じる、イライラしやすい
– 更年期太りが気になる
– 手足や腰が冷えやすい
– のぼせ・ほてりがある
– 脇汗が気になる
– トイレの回数が増えた、尿漏れが気になる
– 頭痛やめまい、耳鳴りがある
– 疲れやすい、寝ても疲れがとれない
– ひどい肩こりや腰痛がある
– 夜ぐっすり眠れない
私の場合、これらの症状のうち7つも当てはまっていました。特に「疲れやすい」「イライラしやすい」「更年期太りが気になる」という項目は、まさに私の日常を表していました。
40代女性の更年期事情
2022年に厚生労働省が行った「更年期症状・障害に関する意識調査」では、医療機関の診断や周囲の指摘などによって「更年期障害を疑った・考えた」女性の割合が40代で37%、50代で48.3%と4割から半数近い数字となっています。
つまり、40代女性の約4割が更年期の不調を感じているということです。あなたも決して一人ではありません。
ピラティスが更年期症状に効果的な科学的根拠
研究で証明されたピラティスの効果
2016年に更年期の女性を対象に行われた研究では、週に3回、8週間のピラティスの実践により、更年期症状の緩和や、腰痛の改善、柔軟性の向上に効果があったことが明らかになりました。
また、2019年にスペインで行われた別の研究によると、閉経後の女性の睡眠障害、不安、うつ、疲労感がピラティスにより改善されたという結果も出ています。
なぜピラティスが効果的なのか?
更年期症状の原因の多くは、自律神経やホルモンバランスの乱れ。ピラティスは、自律神経がすぐ横を通る背骨や内臓に刺激を与えて、脳にアプローチすることで、体の機能を整えていきます。
具体的な効果として以下が挙げられます:
1. 呼吸改善: ピラティスの胸式呼吸は脳への酸素の量を増やし、交感神経を活発にしてくれます。
2. 血流改善: 呼吸が深まり、睡眠の質も向上する他、全身の血流が改善することで、むくみや冷えを改善する効果も期待できます。
3. 幸せホルモン分泌: ピラティスの呼吸のリズムでは、幸せホルモン「セロトニン」の分泌が脳内で促され、不安や食欲などのコントロール力も高めます。
私の体験談 – ピラティスで変わった3つのこと
1. ホットフラッシュの軽減
不快で日常生活に支障をきたす可能性があるホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)は更年期障害で最も見られる症状の一つです。これは女性ホルモンの減少による自律神経の乱れによって起こると言われています。
ピラティスを始めて3ヶ月後から、急に顔が熱くなって汗が止まらなくなる症状が明らかに減りました。ピラティスでは背骨を意識して重点的に動かすため、背骨の中の神経や髄液を刺激し、自律神経を整える効果が期待されます。
2. 睡眠の質の向上
以前は夜中に何度も目が覚めて、朝起きても疲れが取れない状態でした。ピラティスの動きと呼吸のリズムは幸せホルモンと言われるセロトニンの分泌を促します。セロトニンは睡眠ホルモンと言われるメラトニンというホルモンの原料となるため、身体が良質な睡眠に備えることができます。
3. 更年期太りの改善
40代、50代になったら体重が増えた、昔はかんたんに体重を減らせたのにぜんぜん減らない……。更年期に入ると女性はどうしても体重が増えやすくなります。
ピラティスを始めて半年で、体重は3kg減り、特にお腹周りがスッキリしました。激しい運動ではないのに、確実に体が変わっていくのを実感できました。
更年期女性にピラティスが特におすすめな理由
1. 骨盤底筋の強化
骨盤底筋群という骨盤、膀胱、子宮、小腸や直腸など下腹部の臓器を支えるインナーマッスルを緩めてしまいます。尿失禁、つまり尿漏れはこのことが主な原因です。ピラティスではこの骨盤底筋群を鍛えるアプローチを行うエクササイズが豊富なので尿失禁の改善に役立ちます。
2. 運動強度が適切
なかでも、日頃から積極的に運動をしている人は、更年期症状の訴えが少ないことから、運動がストレス解消に役立っていると考えられます。
40代女性にとって、激しい運動は継続が難しいものですが、ピラティスなら無理なく続けられます。
3. 心身両面への効果
ピラティスは、エクササイズの動きと呼吸の両方によって、血液やリンパの流れや内臓の動きをよくするため、自律神経のバランスも整います。自律神経のバランスが整うと、更年期症状の改善も期待できます。
実践編:更年期女性におすすめのピラティス始め方
初心者でも安心の始め方
実はそれ、普段の悪い姿勢の癖を引きずったまま、ピラティスを行なってしまったせいかもしれません。動画を参考に姿勢を整えてから、お腹を鍛える簡単なピラティスポーズでしっかりダイエットに繋げましょう!
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基本のポーズ
1. 準備姿勢
– 手は横に広げ、膝を曲げて楽な姿勢で仰向けに寝る
– 腰の下に手のひら一枚が入る程度の姿勢で、骨盤が地面と並行になるよう保つ
2. 呼吸法
– 息を吐きながら、つま先が地面につくまで片脚を下ろす
– 息を吸いながら、足を挙げて最初の姿勢に戻す
効果を実感するまでの期間
ピラティスの創設者であるジョセフ・H・ピラティスが語る「10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回でカラダのすべてが変わる」
私の経験からも、この言葉は的確だと感じます。1-2ヶ月(10回程度)で体が軽くなり、3-4ヶ月(20回程度)で見た目の変化を実感できました。
同世代の体験談集
Aさん(43歳・事務職)の場合
「更年期のイライラが激しくて、家族にも迷惑をかけていました。ピラティスを始めて2ヶ月で、明らかに感情のコントロールができるようになりました。ピラティスを続けることで、ストレスが軽減され、リラックスできる時間が増えました。」
Bさん(45歳・パート勤務)の場合
「肩こりと腰痛がひどく、整体に通っていました。ピラティスを始めて半年で、整体に行く回数が激減。ピラティスは、全身をゆっくりと大きく動かすエクササイズです。そのため、ピラティスには肩こりや腰痛を改善する効果があるのです。」
Cさん(44歳・営業職)の場合
「睡眠の質が悪く、昼間の集中力が続きませんでした。ピラティスを始めて、夜ぐっすり眠れるようになり、仕事のパフォーマンスも向上しました。ピラティスでしっかりと身体を動かして疲れさせると、夜にぐっすり眠れるようになるでしょう。」
自宅でできる簡単ピラティス
更年期症状改善のための3つの基本エクササイズ
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1. 胸式呼吸エクササイズ
仰向けに寝て、胸を膨らませるように鼻から息を吸い、口からゆっくり吐く。これを10回繰り返します。
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2. 骨盤底筋強化エクササイズ
仰向けに寝て、膝を立て、お尻の穴を締めるように意識しながら骨盤底筋を引き上げる。5秒キープして緩める。10回繰り返します。
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3. 背骨の柔軟性向上エクササイズ
四つん這いになり、背中を丸めたり反らしたりしながら、背骨を一つずつ動かすように意識する。
継続のコツ
何かとお忙しい更年期女性にとって、「こまめに体を動かす習慣を無理なく日常生活に取り入れること」が最も大切かもしれません。
毎日15分でもいいので、同じ時間に行うことを心がけています。私は朝起きてすぐに行うことで、習慣化に成功しました。
ホルモンバランスを整えるピラティスの科学
女性ホルモンとピラティスの関係
ピラティスには更年期症状を緩和する効果があることがさまざまな研究結果からわかっており、ストレス解消効果やリラックス効果もあることから、自律神経や女性ホルモンのバランスを整える効果が期待できる
具体的なメカニズム
運動をすることで、女性にも副腎からアンドロゲンという男性ホルモンが分泌され、それがエストロゲンに変換されるしくみがあります。更年期症状は、卵巣の機能低下によるエストロゲンの減少が主要因ですから、運動によって少量でもエストロゲンが供給されれば、ある程度の症状改善が期待できます。
スタジオ vs 自宅 – あなたに合った選択肢
スタジオのメリット
– 正しいフォームを学べる
– 仲間との交流でモチベーション維持
– 専門的な指導を受けられる
自宅のメリット
– 時間の制約がない
– 費用を抑えられる
– 人目を気にせずできる
私は最初はスタジオで基本を学び、慣れてきたら自宅でも行うようになりました。両方を使い分けることで、継続しやすくなっています。
家庭でピラティスを本格的に始めたい方には、専用のマシンピラティス機器もおすすめです。
更年期太りに効果的なピラティスアプローチ
基礎代謝向上のメカニズム
ピラティスでインナーマッスルを鍛えると、筋肉量が増え、基礎代謝(何もしない安静時に消費されるエネルギーのこと)が高まるため、痩せやすい体になっていきます。
部分痩せ効果
ピラティスには、さまざまなエクササイズがあります。気になる特定の部位にアプローチできるエクササイズを取り入れれば、部分痩せ効果も期待できるでしょう。
私の場合、特にお腹周りの変化が顕著でした。ピラティスでは腹直筋ではなく、コルセットのようにお腹まわりを一周している腹横筋を鍛えます。これによって、ウエストがすっきりと引き締まってきます。
更年期女性の運動習慣づくり
理想的な運動頻度
運動の頻度は1週間に3~4回が望ましいですが、日頃運動していない人はあまり無理をせず、各自の体調に合わせて行い、徐々に回数を上げていけば大丈夫です。
継続のための環境づくり
いざ更年期になってから運動を始めようと思っても、習慣化するまでは時間がかかるものです。日常的に運動習慣がつくように「部屋のなかにヨガマットが置ける空間をつくっておく」など、運動ができるような環境をととのえておくと、アクションにつながりやすくなるでしょう。
注意点と医師への相談タイミング
運動時の注意点
運動実施時の注意としては、運動する時間帯は食事をしてから2時間後くらいがよく、早朝空腹時、食後すぐ、入浴後、飲酒後などは行わないようにしましょう。
医師への相談が必要なケース
以下の症状がある場合は、ピラティスを始める前に医師に相談することをお勧めします:
– 激しい頭痛やめまい
– 胸の痛みや動悸
– 異常な出血
– 関節の痛み
ピラティスで更年期を乗り切る心構え
完璧を求めない
理屈より体感を優先させるべきで、有酸素運動にこだわらなくてもいいと思います。ウォーキング、筋力トレーニング、ヨガ、体操、競技スポーツなど…何でもよいので、そこに「楽しさ」「爽快感」「達成感」が湧いてくるような自分に合う身体活動を見つけ、それを継続した方がよいと私は思っています。
小さな変化を大切に
私も最初は「こんなゆるい運動で本当に効果があるの?」と思っていました。しかし、続けているうちに、朝の目覚めが良くなったり、階段を上るのが楽になったりと、小さな変化を実感できるようになりました。
仲間づくりの重要性
運動をするための外出や、運動仲間と楽しく過ごすことなどが気分転換となり、症状の軽減につながっているのではないかと想像できます
私はピラティススタジオで同年代の仲間に出会い、更年期の悩みを共有することで、心の支えを得ることができました。
長期的な健康維持のために
更年期後の健康への投資
更年期だけでなく加齢による影響まで考えると、ピラティスで骨密度を維持できるということはポジティブに捉えられるかもしれません。
予防医学的視点
更年期症状には、運動による症状改善の効果が期待できますが、実際には体調が思わしくないと、なかなかできるものではありません。理想は、若い時から運動に親しむ習慣をもつことです。
専門資格を取得してさらに深める
ピラティスを通じて更年期の不調が改善され、その効果を実感した方の中には、さらに深く学びたいと考える方も多いでしょう。
オンラインで取得できるマシンピラティス資格講座なら、2ヶ月で専門知識を身につけることができます。副業として活用したり、周りの同世代女性をサポートしたりと、新しい可能性が広がります。
まとめ:更年期は人生の新しいステージの始まり
更年期は確かに体の変化が大きく、戸惑うことも多い時期です。しかし、適切なケアと運動習慣によって、この時期を健康的に乗り越えることができます。
更年期症状には必ず終わりが来るし、閉経後は「生殖から解放」され、人間として歩む人生の階段を上っていくようなステージになるのです。
私がピラティスを通じて学んだことは、「体は正直に応えてくれる」ということです。無理をせず、自分のペースで続けることで、必ず変化を感じることができます。
同じような悩みを抱える40代女性の皆さん、一緒に更年期を乗り越えていきましょう。ピラティスは、そのための強い味方になってくれるはずです。
今日から始められる3つのアクション
1. チェックリストで自分の症状を確認する
2. 週3回、15分の自宅ピラティスを始める
3. 体調の変化を記録する
小さな一歩から始めることで、きっと大きな変化を実感できるでしょう。更年期は終わりではなく、新しい人生の始まりです。ピラティスと共に、健やかで美しい40代・50代を歩んでいきましょう。
最後に、もしピラティスを本格的に始めたいと考えているなら、専用のマシンピラティス機器での自宅練習や、資格講座での専門知識習得も検討してみてください。あなたの人生がより豊かになることを心から願っています。